便利なことに気づいたMAXQDAの機能

卓球コーチのインタビューデータを主題分析するために、久々にちゃんとMAXQDAを使った(アマチュア写真家調査以来)。今回は Kuchartz & Rädiker (2020) を参照したので、使い道が分かっていなかった機能の便利さに気づくことが多かった。

1.文字起こしモード

使う場面:データセットの作成。

文字起こしはMAXQDA上でやった方がいい。再生速度を変えたり数秒巻き戻して再生してくれたりする機能はOkoshiyasu2などにもあるが、MAXQDAの文字起こしモードを使うと以下のことができる。

  • 話者の自働補完:一々話者の名前を書かなくてもよい。
  • タイムスタンプの付与:後で該当箇所の音声をすぐに聞き返せる。文字には起こせていなかった語りのニュアンスに立ち返りやすい。
  • 文字起こししながらコーディング

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2.文書ブラウザに表示するコードの色選択

使う場面:常に。特に初期のコーディングから体系的なコーディングに以降する際。

色んなコードを文書に付与していくと文書ブラウザがごちゃごちゃして見にくい!だからインビボコーディングみたいな、むやみやたらにコードが増える作業はしたくない!と思ってきたが、そんなことは全くなかった。文書ブラウザに表示するコードの色は選択できる。なので、初期のコーディングは青色でやって、体系的にまとめなおした後のコーディングは緑色でやる、というふうに色分けしておけば、異なるタイプのコードが混在して見にくいということはならない。

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3.クリエイティブコーディング

使う場面:コーディング。

インビボコードをたくさん付与することに抵抗がなくなると、クリエイティブコーディングが大変便利な機能であることも分かった。要するにこの機能は、コードの階層関係を図で整理すると、そのままコードシステムに反映してくれるというものである。大量のコードをKJ法的に並び替えるなどして、直感的に作業しやすい。コードシステム上で作業しなくて良かったんだ…。

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4.文書セット

使う場面:主題の発見。

文書をアクティブ化する時に「高業績コーチだけアクティブにしたい」といった場合がある。コードマトリックス・ブラウザでパターンを確認したい時などである。

そのためのやり方として、文書そのものをグループ(フォルダ)に分けておくやり方もある。ただし、それだと別のやり方でグルーピングし直すのが面倒である。例えば「高業績コーチ」「一般コーチ」フォルダに分けてしまうと、「高業績・一般を問わず中途入社コーチだけアクティブにする」といった操作がしづらくなる。

文書セットはそれを可能にする機能で、文書システム上のフォルダ構成とは別に、任意のグループ(セット)を作ることができる。新卒/中途入社の二値を取る文書変数などをあらかじめ用意しておけば、それをもとにしたグループも作れる。

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