追従による質問

『質的研究のための「インター・ビュー」』の91ページに、インタビューにおける質問の種類がまとめてある。訳書ではその2つ目、follow-up questionsが「掘り下げのための質問」と訳されているが、これは「追従による質問」と訳した方がいいと思う。

follow-up questionsは直接的な問いかけをするのとは別にインタビュアーが話の内容について好奇心や粘り強さを示してさらなる説明を促すものだとされ、以下の例が挙げられている。

  • 軽いうなずき
  • 相槌
  • ちょっとした間
  • 重要な語句の復唱

これらはインタビュアーが会話の順番を取ることなく会話を促進するバックチャネリングである。インタビュイーが発話順番を持ち続けることを促し、自分は聞き役に徹するという意味で follow-up〈付いていく〉という言葉が充てられているのだと思う。

「掘り下げのための質問」と言うと、あるエピソードの話を受けて「その時何を考えていたのですか?」や「具体的に何をしたんですか?」と尋ねるようなことを指すだろう。これはむしろ別の種類の質問として挙がっている「特定化のための質問」に近い。